S&S CLUB MAIL MAGAZINE は、毎週金曜日19時にお届けするオカザキマサヒロ主筆のニュースレターです。S&Sの活動報告に加え、国内外を問わず、普段の着こなしに役立つ、ファッションにまつわる情報などを、私見たっぷりにお届けします。
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S&S CLUB MAIL MAGAZINE
Vol.037|2026.10.31
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■ S&S REPORT
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MESSAGEでは、S&Sが展開する実店舗SLOW&STEADYの最新情報や、日常、オリジナルブランドの進捗情報などについて、主筆 オカザキマサヒロが、どこよりも早くお伝えします。
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似合う服と、着たい服。
45歳になって、昔と比べると洋服の選び方はずいぶん変わったと思います。10代や20代の頃は、とにかく「格好いい」と思ったものを着ていました。自分に似合うかどうかなんてほとんど考えていなかった気がします。
雑誌を見て憧れた服。
好きなミュージシャンが着ていた服。
古着屋で偶然見つけた、よく分からないけれど妙に格好いい服。
理由なんて、それくらいでした。むしろ「似合うから着る」というより、「着たいから着る」それだけだったように思います。
ところが歳を重ねていくと、少しずつ服を見る目が変わってきます。体型も変わりますし、生活そのものも変わっていきます。
そうすると自然と自分らしい一着を選ぶようになります。もちろん、それは悪いことではありません。むしろ長く洋服を着てきたからこそ、自分に似合うものや、自分に必要なものが分かるようになったとも言えます。ただ最近、少しだけ思うことがあります。似合う服ばかり選んでいると、洋服が少しつまらなくなる。そんな感覚です。
自分のクローゼットに自然に収まる服。そういうものだけを選んでいけば、もちろん失敗は減ります。でも、洋服を好きになった頃のことを思い返してみると、僕はそもそも「失敗しないため」に服を買っていたわけではありませんでした。
「これ着てみたいな」
「こんな格好してみたいな」
「これを着たら、ちょっと違う自分になれそうだな」
そんな気持ちの方がずっと大きかったと思います。
服には不思議な力があります。いつもと少し違うジャケットを着るだけで、背筋が伸びたり。少し派手な色を着ると、なんとなく気分まで明るくなったり。普段なら選ばない服を着て出かけると、いつもの街が少し違って見えたり。
私は長くこの仕事をしてきて、服には人の気持ちを動かす力はもちろん、人生を変える力すらあると思っています。だから店頭でも、似合うものをおすすめすることと、その人自身がまだ知らない一面を提案することを意識しています。自分では絶対に手に取らなかった服を試着してみたら、思った以上にしっくりきた。最初は少し違和感があったけれど、何度か着ているうちに一番好きな服になった。そんな経験をされた方も多いと思います。私も、そういう服が何着もあります。
最初から100点だった服というより、着ながら少しずつ自分のものになっていった服。振り返ってみると、むしろそういう服の方が記憶に残っています。
洋服は面白いもので、「似合うから着る」のではなく、「着ているうちに似合ってくる」ことがあります。やはり、服と人との関係は少しずつ時間をかけて出来上がっていくものなのでしょう。
45歳になった今、若い頃と同じ格好をしようとは思いません。でも、若い頃に持っていた「これ着てみたい」という気持ちまで失いたくはないなと思っています。年齢を重ねるほど、自分に似合うものは分かってきます。だからこそ時々、その答えから少しだけ外れてみる。
普段なら選ばない色を選んでみる。今までなら敬遠していたものを試してみる。そのくらいの小さな冒険は、これからも続けていたいと考えています。洋服を長く好きでいるためには、もしかするとそれって大切なのかもしれません。
「似合う服」ももちろん大切です。でも時々は、「理由はよく分からないけれど、なんか着たい。」そんな一着を選んでみる。そういう買い物も悪くないと思っています。そして洋服屋として、そんな一着に出会える場所をこれからもつくっていきたいと思っています。
似合う服と、着たい服。
45歳になって、昔と比べると洋服の選び方はずいぶん変わったなと思います。10代や20代の頃は、とにかく「格好いい」と思ったものを着ていました。自分に似合うかどうかなんて、今ほど考えていなかった気がします。
雑誌を見て憧れた服。
好きなミュージシャンが着ていた服。
古着屋で偶然見つけた、よく分からないけれど妙に格好いい服。
理由なんて、それくらいでした。むしろ「似合うから着る」というより、「着たいから着る」それだけだったように思います。ところが歳を重ねていくと、少しずつ服を見る目が変わってきます。体型も変わりますし、生活そのものも変わっていきます。
そうすると自然と、
「これは自分に似合う」
「必ず着る」
「今持っている服との相性」
そんなことを考えるようになります。
もちろん、それは悪いことではありません。むしろ長く洋服を着てきたからこそ、自分に似合うものや、自分に必要なものが分かるようになったとも言えます。ただ最近、少しだけ思うことがあります。
似合う服ばかり選んでいると、洋服が少しだけつまらなくなる。
そんな感覚です。
似合う色。似合う形。安心して着られるサイズ感。自分のクローゼットに自然に収まる服。そういうものだけを選んでいけば、もちろん失敗は減ります。でも、洋服を好きになった頃のことを思い返してみると、私はそもそも「失敗しないため」に服を買っていたわけではありませんでした。
「これ着てみたいな」
「こんな格好してみたいな」
「これを着たら、ちょっと違う自分になれそうだな」
そんな気持ちの方がずっと大きかったと思います。服には不思議な力があります。いつもと少し違うジャケットを着るだけで背筋が伸びたり。少し派手な色を着ると、なんとなく気分まで明るくなったり。普段なら選ばない服を着て出かけると、いつもの街が少し違って見えたり。
長くこの仕事をしてきて、服には人の気持ちを動かす力、さらには人生を変える力が似合う服と、着たい服。
45歳になって、昔と比べると洋服の選び方はずいぶん変わったなと思います。
10代や20代の頃は、とにかく「格好いい」と思ったものを着ていました。
自分に似合うかどうかなんて、今ほど考えていなかった気がします。
雑誌を見て憧れた服。
好きなミュージシャンが着ていた服。
古着屋で偶然見つけた、よく分からないけれど妙に格好いい服。
理由なんて、それくらいでした。
むしろ「似合うから着る」というより、
「着たいから着る」。
それだけだったように思います。
ところが歳を重ねていくと、少しずつ服を見る目が変わってきます。
体型も変わりますし、仕事や立場も変わる。
生活そのものも変わっていきます。
そうすると自然と、
「これは自分に似合うかな」
「ちゃんと着るかな」
「今持っている服に合わせられるかな」
そんなことを考えるようになります。
もちろん、それは悪いことではありません。
むしろ長く洋服を着てきたからこそ、自分に似合うものや、自分に必要なものが分かるようになったとも言えます。
ただ最近、少しだけ思うことがあります。
似合う服ばかり選んでいると、洋服が少しつまらなくなる。
そんな感覚です。
似合う色。
似合う形。
安心して着られるサイズ感。
自分のクローゼットに自然に収まる服。
そういうものだけを選んでいけば、もちろん失敗は減ります。
でも、洋服を好きになった頃のことを思い返してみると、僕はそもそも「失敗しないため」に服を買っていたわけではありませんでした。
「これ着てみたいな」
「こんな格好してみたいな」
「これを着たら、ちょっと違う自分になれそうだな」
そんな気持ちの方がずっと大きかったと思います。
服には不思議な力があります。
いつもと少し違うジャケットを着るだけで、背筋が伸びたり。
少し派手な色を着ると、なんとなく気分まで明るくなったり。
普段なら選ばない服を着て出かけると、いつもの街が少し違って見えたり。
たかが洋服、と言ってしまえばそれまでですが、僕は長くこの仕事をしてきて、服には人の気持ちを少し動かす力があると思っています。
だから店頭でも、
「これ、似合いますよ」
という言葉だけではなく、
「これ着たら面白いと思いますよ」
という提案を大切にしたいと思っています。
似合うものをおすすめすることと、その人自身がまだ知らない一面を提案すること。
洋服屋の仕事は、その両方だと思うからです。
自分では絶対に手に取らなかった服を試着してみたら、思った以上にしっくりきた。
最初は少し違和感があったけれど、何度か着ているうちに一番好きな服になった。
そんな経験をされた方も多いと思います。
僕自身にも、そういう服が何着もあります。
最初から100点だった服というより、着ながら少しずつ自分のものになっていった服。
振り返ってみると、むしろそういう服の方が記憶に残っています。
洋服は面白いもので、
「似合うから着る」のではなく、「着ているうちに似合ってくる」ことがあります。
革靴が足に馴染んでいくように。
デニムがその人の形になっていくように。
服と人との関係も、少しずつ時間をかけて出来上がっていくものなのかもしれません。
45歳になった今、若い頃と同じ格好をしようとは思いません。
でも、若い頃に持っていた「これ着てみたい」という気持ちまで失いたくはないなと思っています。
年齢を重ねるほど、自分に似合うものは分かってきます。
だからこそ時々、その答えから少しだけ外れてみる。
普段なら選ばない色を選んでみる。
いつもより少し大きなシルエットを着てみる。
今までなら敬遠していたものを試してみる。
そのくらいの小さな冒険は、これからも続けていたい。
洋服を長く好きでいるためには、もしかするとそれが結構大切なのかもしれません。
「似合う服」ももちろん大切です。
でも時々は、
「理由はよく分からないけれど、なんか着たい。」
そんな一着を選んでみる。
僕は、そういう買い物も悪くないと思っています。
そして洋服屋として、そんな一着に出会える場所をこれからもつくっていきたいと思っています。
岡崎あると思っています。
だから店頭でも、
「これ、似合いますよ」
という言葉だけではなく、
「これ着たら面白いと思いますよ」
という提案を大切にしたいと思っています。
似合うものをおすすめすることと、その人自身がまだ知らない一面を提案すること。
洋服屋の仕事は、その両方だと思うからです。
自分では絶対に手に取らなかった服を試着してみたら、思った以上にしっくりきた。
最初は少し違和感があったけれど、何度か着ているうちに一番好きな服になった。
そんな経験をされた方も多いと思います。
僕自身にも、そういう服が何着もあります。
最初から100点だった服というより、着ながら少しずつ自分のものになっていった服。
振り返ってみると、むしろそういう服の方が記憶に残っています。
洋服は面白いもので、
「似合うから着る」のではなく、「着ているうちに似合ってくる」ことがあります。
革靴が足に馴染んでいくように。
デニムがその人の形になっていくように。
服と人との関係も、少しずつ時間をかけて出来上がっていくものなのかもしれません。
45歳になった今、若い頃と同じ格好をしようとは思いません。
でも、若い頃に持っていた「これ着てみたい」という気持ちまで失いたくはないなと思っています。
年齢を重ねるほど、自分に似合うものは分かってきます。
だからこそ時々、その答えから少しだけ外れてみる。
普段なら選ばない色を選んでみる。
いつもより少し大きなシルエットを着てみる。
今までなら敬遠していたものを試してみる。
そのくらいの小さな冒険は、これからも続けていたい。
洋服を長く好きでいるためには、もしかするとそれが結構大切なのかもしれません。
「似合う服」ももちろん大切です。
でも時々は、
「理由はよく分からないけれど、なんか着たい。」
そんな一着を選んでみる。
僕は、そういう買い物も悪くないと思っています。
そして洋服屋として、そんな一着に出会える場所をこれからもつくっていきたいと思っています。
岡崎
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◼️ S&S OUTLOOK
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OUTLOOKでは、毎週ひとつ洋服業界の旬なトピックをピックアップして、オカザキマサヒロ個人的な感想を交えてお届けします。
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今週はこの記事について書いてみようと思います。
「ラルフローレン世界初の『ポロフェス』開幕、世界17店が集めたヴィンテージ約1万点販売」
記事を読む(FASHIONSNAP)出典:FASHIONSNAP/2026年10月22日
今回、ラルフ ローレンの創業60周年を記念して、世界で初めてとなる「PoloFest」が東京・原宿で開催されました。会場にはブランドが保管している貴重なアーカイヴが展示されたほか、世界各地から17店のヴィンテージショップが集まり、約1万点ものラルフ ローレンのヴィンテージが販売されたそうです。
この記事を読んでいて、私は単純に「昔のラルフがたくさん見られて面白そうだな」ということ以上に、すごく惹かれるものがありました。それは、このイベントの主役がブランドだけではないということです。
ラルフ ローレンがつくってきた服。それを実際に着てきた人たち。長い時間をかけて集めてきたコレクター。それぞれの国や街で、自分たちなりの着方をつくってきた人たち。
そういう人たちが積み重ねてきた時間まで含めて、「ラルフ ローレン」というひとつの文化になっている。
私はそこがすごく面白いと思いました。ブランドが服をつくる。私たちのような洋服屋がそれを仕入れて、お客様に紹介する。そして誰かが買って、着てくれる。販売という仕事だけを考えれば、そこでひとつの役割は終わります。でも、本当の意味でその洋服が始まるのは、もしかするとそこからなのかもしれません。
何年も着ることで、生地が柔らかくなる。色が褪せる。擦れる。傷がつく。場合によっては破れて、直しながらまた着る。そしていつか誰かに譲られたり、古着屋に並んだりして、また別の人が袖を通す。
そうやって一着の服が、つくった人間の想像を超えて、何十年もの時間を生きていくことがあります。
今回のPoloFestには、約1万点ものヴィンテージが集まったそうです。
1万点です。それだけの服が、発売されたあと何年、何十年という時間を経ても捨てられず、誰かの手によって残されてきた。私は、それこそがブランドの本当の強さなんじゃないかと思います。新作が発売されたときに話題になることも大切です。たくさん売れることも、もちろん大切です。でも、10年後、20年後、30年後にも誰かがその服を手に取ってかっこいいと思う。それって、とんでもないことだと思うんです。
今回のイベントでは、日本独自の文化として「刺し子」を使ったリペアにも焦点が当てられていました。
破れたから捨てるのではなく、直して着る。しかも、修理した跡をできるだけ分からなくするのではなく、その跡さえも服の表情として残していく。私は昔から、こういう考え方がすごく好きです。
新品の状態が一番美しい服もあります。でも一方で、着れば着るほど、その人のものになっていく服もあります。デニムやレザー、ワークウェアなんかは特にそうです。色が落ちたり、擦れたり、皺が入ったり、本来なら「劣化」と呼ばれるはずのものが、ある瞬間からその服にしかない魅力に変わっていく。
洋服屋という仕事を長く続けてきた私も、「この服は5年後、10年後、どんな顔になっているんだろう」と考えることが日常になりました。私は、買ったときにはまだ70点くらいで、着るたびに少しずつ自分に馴染んで、80点、90点と変わっていき、気がつけば絶対に手放したくない一着になっている。そんな服に強く惹かれます。
そしてこの記事を読んで、改めて思ったことがあります。
服は、ブランドが完成させるものではない。
デザインするのも、生地を選ぶのも、パターンを引くのも、縫製するのもブランドです。
でも、その服が最終的にどんな一着になるのかは、着る人に委ねられている。
どこへ着ていったのか。誰と過ごしたのか。雨に濡れたのか。旅に持っていったのか。何度修理したのか。
そんな時間が積み重なって、ようやくその人だけの服になっていく。
私は20年以上洋服に携わってきましたが、洋服の後ろに人の時間が見えることが好きなんだと思います。
ラルフ ローレンが長い時間をかけてつくってきた世界観があって、それを日本を含む世界中の人たちがそれぞれの感覚で解釈して、自分たちのスタイルとして着てきた。そして何十年も経った今、その着られてきた服がヴィンテージとして集まり、再びブランドの歴史の一部として並んでいる。
ブランドから人へ。人から、また次の人へ。そして、その積み重ねがいつかブランドそのものの歴史になっていく。それってすごくいい循環です。
私自身、そんな時間を味方にできる店、ブランド作りをこれからも続けて聞きたいですね。
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