右肩が痛い。
腕は動くけど、特定の角度だけ「そこはやめて」と言われる感じ。
地味なんだけど、地味に困る。
数年前の五十肩が頭をよぎる。
でも今回は、心当たりがひとつある。
風邪で三週間、ジムに行けていなかった。
上着の袖に腕を通した瞬間、布がシャッ、と擦れて、その次に関節の奥でコリッと短い音がした。
痛みは鋭くない。けれど、引っかかる。
動きの途中で、ほんの一拍だけ止まる。
その“一拍”が、今日の調子を決める。
数年前、私は五十肩になった。
コロナ禍でジムに行けなくなった頃だ。
運動が途切れるって、体全体が鈍るというより、まず「可動域」が少しずつ削れていく。
ある日、頭の後ろに手をまわした時、腕がいつもより上がらないことに気づいた。その瞬間の、情けないような、焦るような気持ちもよく覚えている。
ジムを再開してからは、少しずつ戻っていった。
ケーブルを軽く引くと、金具がカチャン、と乾いた音を立てる。
ゴム床に靴がキュッと鳴る。
呼吸だけが一定になっていく。
「痛くない範囲で」を守って、肩甲骨を寄せる。戻す。
それだけで、暮らしの動作がだいぶ楽になった。
普段困らない程度には、ちゃんと落ち着いていた。
だからこそ、先日、風邪で三週間ほどジムに行けなかったのが、少し嫌な予感だった。
体を休めたはずなのに、肩は休まっていなかったらしい。
久しぶりに棚の上の箱へ手を伸ばしただけで、肩の奥がズン、と重くなる。
ああ、戻ってきた。
あの感じが。
それに天気もある。
寒くなってきたし、曇天の日が増えた。
空が低い日は、音まで丸くなる気がする。
遠くの車の走行音がぼやけて、家の中の小さな音――冷蔵庫の低い唸りや、時計の秒針のコツコツが、妙に目立つ。
体の内側も、それに合わせて縮こまっていく。
肩のあたりだけ、薄い膜を貼られたみたいに重い。
「なんか調子悪いな?」
そう思ったら、私は早めに対策したい。
劇的なことじゃなくていい。
お湯を沸かして、湯気の音を聞く。
ポコポコ、から、シュウウ…へ変わる頃、首と肩をゆっくり回す。
肩をすくめて、ストンと落とす。
腕を前に伸ばして、肩甲骨の間を開く。
スマホを見る姿勢を一回、やめて、息を深く吐く。
小さな対策を先に積む。
不調って、だいたい突然ではなく、じわじわ来る。
だから私も、じわじわ戻す。
三週間分の空白を、いきなり埋めようとしない。
今日の肩が「ここまでなら大丈夫」と言うところまでで止める。
止めることも、回復の一部にする。
今日は、とりあえず湯を沸かした。
そのくらいの小さな手当てから、また始めてみる。
明日の私が少し楽になるように。
あなたは「なんか調子悪いな」と思ったとき、どんなふうに立て直していますか?
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今日も元気に楽しく
ハタモトでした。
そうそう…。
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